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June 25, 2022

シューホーン(靴ベラ)について

こんにちは。梅雨は明けませんが暑くなってきましたね。

さて当店は通常の路面店とは異なりマンションの4階に位置する空中店舗です。そのため入店いただく際はご面倒ですが靴を脱いでいただきスリッパに履き替えていただきます。ひと手間掛かってしまうので申し訳ないのですが、脱ぎ履きの作業が少しでもスムーズになるよう羊型のスツールを置いております。

この子に「よっこらしょ」と腰かけていただき靴の着脱をお願いしております。またシューホーン(靴ベラ)も天然素材にこだわり、長めの木製のもの(約65cm)、水牛の角で出来た短いもの(約20cm)の2本を用意しております。スーツとは直接関係ありませんが今回はシューホーンの話をさせていただきます。

水牛の物は3年ほど前にロンドンのジャーミンストリート、クロケット&ジョーンズで購入したブランド名入りのもので製造は有名なアビーホーン社になります。クロケット&ジョーンズは靴屋さんですが、顔を覚えられるぐらい伺ったのにも関わらず肝心の靴で欲しいものがなかったため申し訳なくて購入したものです(実際に「あんた今日3回目だよね」とベテラン店員さんに言われました)。数本の中から気に入った様相のものを選ばせてもらいましたが、コンパクトなので使い勝手が良く、外販の際にも持ち歩いて愛用しています。

なお「シューホーン」とは直訳すると「靴角」ですが、もともと靴ベラの材料は動物の角が適していて広く使われていたようで、素材そのものがアイテム名の一部になるほど浸透していたようです。しかし時代が変わり現在はコスト重視でセルロイド/プラスチック製のものが主流になっております。スーツのボタンもそうですが、本水牛の物は手触りも良く、見た目も天然素材ならではの個体差があり眺めているだけで楽しくなります。

ところで先日、木製のものをチェックすると結構傷んでいることに気付きました。

よろしくない兆候ですので後釜を探すことになりました。なんと言ってもやっぱり「シューホーン」ですので水牛製を理想としていろいろ調べた結果、日本の業者さんが英国メーカーに発注している比較的リーズナブルな商品を発見。もちろんプラスチック製に比べると高価ですが、お客様にもこの独特の感覚を味わっていただくために16インチ(約40cm)のものを購入いたしました。

どうでしょう。世界に1本しかないこの独特の様相、元の形状と職人さんの手作業によって構築された絶妙な曲線。美しいと感じるのは私だけでしょうか・・・。

ご来店の際は是非ご使用いただきたいと存じます。

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